開業を考えた時、一番頭を悩ませるのは開業資金についてではありませんか?漠然とお金がかかることは分かりますが、どれくらいなのか把握することができず不安を感じているという方も多いでしょう。時折、「0円で開業!」なんて話も聞かれますが、バーにも当てはまるのかどうかなど疑問もたくさんあるかと思います。そんなお悩みを解決するために、ここでは開業資金の基本についてお伝えしていきます。資金の目安やチェックポイントなど、押さえるべきポイントを見ていきましょう。

開業資金の内容とは

開業資金を考えるなら、その内容をしっかりと把握しておく必要があります。

店舗

  • 前家賃・1~4ヶ月分
  • 保証金・1ヶ月
  • 敷金・1ヶ月
  • 礼金・4~10ヶ月分
  • 仲介手数料・1ヶ月
  • 家賃・2~3ヶ月分

バーは飲食店であり、店舗不要という訳にはいきませんね。不動産を購入するか借りるかによって必要な金額は異なりますが、借りる場合には「前家賃+保証金+敷金+礼金+仲介手数料」といった費用が不可欠です。家賃は前払いが原則なので、入居月の家賃は入居前に払う必要があり、これを「前家賃」と呼びます。敷金・礼金は個人住宅の賃貸と同じ意味合いですが、用途が店舗の場合は多めに払うのが一般的。敷金は半年程度、礼金は1ヶ月をみておきましょう。保証料は家賃の滞りやトラブルが起きたときに仲介してくれる保証会社へ支払うお金で、こちらも1ヶ月分が目安です。仲介手数料は不動産会社の手数料で、1ヶ月分が一般的な金額といえるでしょう。大切なのは家賃をギリギリで計算せずに、お店が軌道に乗るまで余裕を持って払えるよう2~3ヶ月分をプラスして計算しておく点です。

設備

  • 内装
  • 外装
  • 什器
  • 備品

内装や外装を理想通りにするためにはいくら必要なのか、見積りをとってみると正確な費用が明らかになります。前のオーナーが揃えた設備を活用する「居抜き物件」を活用すると費用を浮かすこともできますので、探してみるのもおすすめです。また、内装に含まれないイスやテーブル、什器や厨房機器にサーバーなどお店を円滑に運営するために必要な設備を確認しておきましょう。

運営費

食材費や人件費はもちろん、電話やネット回線などの通信費、広告を出すための宣伝費、弁護士や税理士の顧問料、駐車場代など細かな費用がかかります。また、経営者の生活費も忘れてはいけません。開業しただけでは売り上げは発生しないため、お客さんが定着し安定するまで3~6ヶ月ほどの運転資金を持っておくことをおすすめします。

  • オーナーの生活費
  • 食材費
  • 人件費
  • 通信費
  • 光熱費
  • 消耗品
  • 顧問料
  • 駐車場代
  • 交際費
  • リース代
  • 利息
  • 支払手数料

開業資金はどれくらい用意するべきか

一般的に、自己資金は総投資額の3割程度といわれています。安心して開業できる初期投資額の目安が1000万円なので、最低でも300万円は持っておきたいところですね。平均をみてみると初期投資額の平均は1,433万円で、金融機関からの借り入れが平均931万円、自己資金の平均が320万円となっています。家賃や設備投資にどれほど費用がかかるかによっても大きく左右されますが、余裕を持って準備しておかないと、軌道に乗る前に資金が底をついてしまう危険もあるのです。

開業資金0円での起業は可能か

開業資金0円でOKという業種もありますが、これまでの話からバーではなかなか難しいというのが分かるでしょう。あまり開業資金が少ないと思ったとおりのお店にならず、後悔が残ることも。また、お店の雰囲気や居心地の良さも大切な商品なので、余裕を持って営業できるよう正確に必要資金を算出してみることをおすすめします。